2023.09.21
企業で働く従業員に給与を支払うために、給与計算業務は欠かせません。
担当者は、それぞれの従業員の勤怠状況を確認した上で、給与規定や法制度に則り正確に給与計算を進めることが求められます。
今回の記事では、給与計算の初心者向けに、給与計算の流れや業務上の注意点についてまとめました。初めて経理に配属された方や、給与計算業務の基礎が知りたいという方は、参考にしてください。
最初に、給与計算業務のおおまかな流れを確認していきましょう。
まずは、各従業員の給与の総支給額を計算します。
出勤日数や有給取得状況、欠勤日数、残業時間などの勤怠情報を確認した上で、計算に入るのが一般的です。
基本給が確定したら、そこに諸手当を加えていきます。
残業手当や出張手当など、企業ごとの規定にしたがって金額を計算しましょう。
給与には、税金や控除がかかります。
必要な保険料や税金などを合わせて「控除額」と言い、総支給額から天引きする必要があります。
企業側が天引きする控除額に含まれるのは、所得税や住民税のほか、健康保険料、介護保険料、雇用保険料、厚生年金保険料などの社会保険料です。
なお、会社からの手当の中には、課税の対象となる「課税手当」、税金がかからない「非課税手当」があります。これらを混同しないようにしながら、給与や控除額を算出します。
総支給額、控除額の計算を行ったら、それらを差し引いて従業員に支払う給与を算出します。
「総支給額―控除額=差引支給額」
差引支給額は、実際に従業員の手元にわたるお金であることから「手取り」とも呼ばれます。差引支給額が決定すれば、明細書の作成や振り込みなどの業務に移ります。
給与計算業務は、従業員一人一人の給与を決定する重要な業務です。実際に取り組む上で、特に注意が必要なポイントを解説します。
給与は、企業と従業員の信頼関係を構築するものです。金額などにミスがあれば、従業員の生活に影響を与える可能性もあります。複数人でチェックを行ったり、計算を自動化する給与計算システムを利用したりと、ミスを防止する体制づくりを徹底することが大切です。
万が一ミスが発生してしまった場合は、従業員側に即謝罪をして、誠意を持って迅速に対応しましょう。二度と同じミスが起こらないよう、ワークフローやマニュアルを改善することも求められます。
労働や給与にかかわる法律や税制度、社会保険制度は、頻繁に改正が行われます。それらをしっかりキャッチアップし、給与計算業務に反映させることも必要です。
担当者が法令を理解し、給与計算に反映させていくことが求められますが、専門知識がない場合、適切な対応が難しいこともあります。
これらの課題を解消するための方法として、給与計算システムの導入や、給与計算業務の外注化などが挙げられます。システムや、給与計算のプロフェッショナルに業務を委託することで、安心して業務に集中できます。
人事給与規定については、会社ごとに独自ルールや例外が設けられている場合もあります。給与計算業務を行うためには、そうした独自規定も見落とさないようにしましょう。
長年にわたり実施されてきた会社独自のルールが、働き方改革に伴う法改正などにより、時代にそぐわない可能性もあります。社内独自のルールが現在の法令や制度に合ったものかどうかを確認することも重要です。
手入力で給与計算を行う場合、人為的なミスはどうしても避けられません。給与計算システムなど、計算を自動的に行う環境が整っていない場合は、Excelなどの表計算ソフトを利用しましょう。
数式やテンプレートを利用すれば、手作業に比べて計算ミスの発生を防ぐことができます。まずは、Excelなどの表計算ソフトをスムーズに活用できるスキルを身につけるようにしましょう。
今回は、給与計算業務のおおまかな流れやポイントについて解説しました。
給与計算は、企業と従業員の信頼関係につながる重要な業務です。法令にのっとり、極力ミスが起こらないような体制を整えながら、業務に取り組むようにしましょう。
人為的ミスの発生を抑え、効率的に給与業務を行うためには、給与計算システムの導入や、給与計算業務のアウトソーシングがおすすめです。
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