2025.04.09
企業活動を支える存在である「バックオフィス」は、効率化を推進することで、生産性の向上やコスト削減をはじめとしたさまざまなメリットが期待できます。この記事では、バックオフィスの概要や効率化するメリット、効率化の具体的な方法について解説します。サービスやシステムを導入する際のポイントについても解説するので、バックオフィスの効率化に役立ててください。
バックオフィスとは、顧客と直接的に関わることがない職種や業務のことを指します。顧客と直接関わらず、売上に直結するような職種や業務ではありませんが、業務を円滑に進めるためには必要不可欠な存在といえるでしょう。
バックオフィスに該当する部門には、「経理・財務」「人事・労務」「法務」「総務」「情報システム」などがあります。事務手続きを行ったり、従業員が円滑に業務を進めるための環境を整えたりするのが主な業務です。また、バックオフィスは「事務部門」「管理部門」「間接部門」のように言い換えられることもあります。
バックオフィスとは反対に、顧客と直接関わり、売上に直結するような職種や業務のことを「フロントオフィス」といいます。営業や受付、コールセンターなど、顧客との関係構築やブランドイメージの強化、売上の創出を目指すことなどが主な業務です。フロントオフィスは「営業部門」「顧客部門」「直接部門」のように言い換えられることもあります。
企業活動では、売上に直結する業務を行うフロントオフィスが注目されやすいですが、バックオフィスの業務がなければそもそも企業活動は成立しません。バックオフィスの業務は経営資源を管理する役割も担っているため、バックオフィス業務が効率化されればより全体の生産性が向上したり、業務改善につながったりするでしょう。
バックオフィスを効率化すると、「生産性の向上」「コスト削減」「ヒューマンエラーの防止」「業務の属人化の解消」などのメリットにつながります。それぞれのメリットについて解説します。
バックオフィスの効率化は、企業全体の生産性向上にも寄与します。たとえば、これまで手作業で行っていた定型業務を自動化することで、人でなければできない、より付加価値の高い業務に注力できるようになります。
マネジメントやガバナンスの強化などの業務に人員を充てられるようになれば、企業全体の成長にもつながるでしょう。また、フロントオフィスとバックオフィスを兼任している場合、バックオフィスの業務が効率化されることで、フロントオフィスの業務に充てる時間をより確保できるようになります。
バックオフィスの業務の効率化により、さまざまなコストの削減につながります。たとえば定型業務を自動化することはバックオフィス業務の作業工数を削減することにつながるため、多くの人員を配置しなくてもこれまで通りの業務を行えるようになり、人件費を削減することが可能です。
また、ペーパーレス化が推進されれば、印刷コストや文書の郵送コストなども大幅に削減できます。
バックオフィス業務の効率化を行うためにツールなどを導入することで、ヒューマンエラーによるミスの防止にもつながります。バックオフィスの業務にはデータの集計や照合などの作業も含まれており、手作業で行うと転記ミスやチェック漏れなどのヒューマンエラーが発生してしまう恐れがあります。とくに疲労がたまっていたり集中力が欠けてしまったりした状態で業務にあたると、よりヒューマンエラーのリスクが高まってしまうでしょう。
バックオフィスの効率化に役立つツールを導入すれば、これまで手作業で行っていた集計や入力、転記などの作業の多くが自動化され、ヒューマンエラーの防止につながります。
バックオフィスの業務を自動化やデジタル化することは、業務の属人化の解消につながります。定型業務をツールによって標準化できれば、誰が担当しても業務内容が明確にわかるようになり、同じように作業ができるようになるでしょう。
特定の担当者しか手順やノウハウがわからない業務は、担当者が離職してしまうと業務が停滞してしまう恐れがあります。ツールなどを活用して業務を標準化することによって、業務の属人化を防ぐことにつながります。
バックオフィスを効率化するためには、具体的には「ペーパーレス化などデジタル化を推進する」「業務のマニュアル化を推進する」「アウトソーシングを活用する」「サービスやシステムを導入する」などの方法があります。それぞれの方法について解説します。
会議資料や請求書など、これまで紙ベースで管理していたものを電子化してペーパーレス化を推進することで、管理にかかる手間やコストを削減することが可能になります。紙ベースの書類は紛失する恐れがあり、セキュリティ面のリスクが心配されます。また、保管場所も必要になり、量が多ければ必要な書類を探し出すのにも時間がかかるでしょう。
しかし、書類を電子データにすることで紛失のリスクが低減し、保管場所の問題も解消されます。また、検索すればすぐに必要なデータを取り出せるため、書類を探す時間も削減できます。
業務のマニュアル化を推進することで、業務効率が向上したり、引き継ぎがスムーズに行えるようになったりするメリットがあります。マニュアル化とは、業務の概要や手順などをまとめ、誰が担当しても一定の品質で業務を行えるようにすることを意味します。
マニュアル化によって誰が作業を行っても一定の品質を保てるようになれば、新しい従業員への指導や業務の引き継ぎなどの教育コストの削減にもつながるでしょう。また、属人化の解消にもつながります。
アウトソーシングを適切に活用することは、バックオフィス業務の効率化に大きく貢献します。アウトソーシングとは、業務の一部を外部に委託することを指します。たとえば経理・財務の業務であれば、経費精算や予算管理、決算書・帳簿作成、年末調整などをアウトソーシングすることが可能です。
専門性が求められる業務をアウトソーシングすれば、人材育成にかかる時間や手間を削減することにもつながります。
バックオフィスの業務の効率化には、目的に合ったサービスやシステムの導入がとくに効果的です。たとえば情報系のシステムであれば、Web会議システムやビジネスチャット、電子契約システム、電子帳簿システムなどが挙げられます。また、基幹系のシステムであれば、財務管理システムや人事給与システム、在庫管理システムなどの導入を検討してもよいでしょう。
また、さまざまなシステムを導入している場合は、社内における様々な手続きをワークフローシステムに集約することも可能です。
バックオフィスの効率化には、サービスやシステムの導入が効果的です。サービスやシステムを選ぶ際には、「自社の課題にマッチしているか」「誰でも使いやすいか」「費用対効果は高いか」について確認しておくとよいでしょう。それぞれのポイントについて解説します。
バックオフィスの効率化に役立つサービスやシステムにはさまざまな種類があるため、自社の課題にマッチしたものを選択するようにしましょう。その際はいきなりサービスやシステムを選択するのではなく、まずは自社が抱えている課題を洗い出し、優先順位をつけて整理していきましょう。
どのような課題を解決したいかによって必要となる機能も異なるため、優先順位の高い課題にマッチしたサービスやシステムを検討することが大切です。
サービスやシステムを検討する際には、機能だけでなく操作性についても十分に確認し、誰でも使いやすいものを選ぶようにしましょう。せっかくサービスやシステムを導入しても、一部の担当者しか使用できないような複雑なものでは業務の属人化を招くことにもつながり、「業務の効率化」という本来の目的が果たせなくなります。
ITツールの使用に苦手意識をもつ人でも使用しやすいものを選べば、使用方法の説明や操作に慣れるまでの時間を大幅に削減できます。無料トライアルなどで操作性を試せる機会があれば、より使いやすいサービスやシステムを選べるようになるでしょう。
サービスやシステムの導入にはコストがかかるため、コストをかけた分の効果が十分に期待できるかについても慎重に検討する必要があります。せっかくコストをかけて導入しても、あまり業務の効率化につながらなかった場合は導入にかかった時間や手間、費用などを無駄にしてしまうことになります。導入する前に、費用対効果が高いかどうかをしっかりと確認しておきましょう。
バックオフィスとは、顧客と直接関わることのない業務や職種ですが、企業活動を円滑に進めるためには必要不可欠な存在です。バックオフィスの業務を効率化することで、生産性の向上やコストの削減など、企業活動にさまざまなメリットをもたらします。
バックオフィスの効率化を目指すなら、ペーパーレス化や業務のマニュアル化、アウトソーシング、サービスやシステムの導入などさまざまな方法のなかから自社に適したものを選択するようにしましょう。サービスやシステムを導入する場合は、自社の課題に合ったものを選ぶようにし、導入前に操作性や対費用効果などについても十分に確認することが大切です。
JOEでは、「人事給与業務アウトソーシング(BPO)」「給与計算システム(Web明細含む)」「人事管理システム・申請ワークフロー」「勤怠管理システム」「年末調整Web申告システム」など、豊富なサービスをご提供しております。バックオフィスの効率化にぜひお役立てください。詳細は「サービス一覧」のページをご覧ください。