コラム
人事システムとERPの違いとは？ 人事業務でどう活用できるのか
2024.03.12
企業経営に関わる情報を管理するシステムの中には、企業資源として挙げられる情報の一元的な管理を実現する「ERP」のほか、従業員の人事に関するデータを一元管理する「人事システム」などがあります。システム導入の際は、それぞれの特徴やメリットを把握した上で、自社に最適なものを選ぶことが大切です。今回は、人事システムとERPの違い、人事業務でのERPの活用方法などについて説明します。
ERPとは
ERPは「Enterprise Resources Planning」の略称です。日本語では「企業資源計画」などと訳されます。現在は、ヒト、モノ、カネ、情報など、企業資源として挙げられるものを効率的・適切に活用していくための計画や仕組み、システムのことを「ERP」と呼びます。
ERPでできること
情報管理システムとしてのERPは、企業資源にかかわるデータを一元的に管理することで、さまざまな業務を効率化させる役割があります。
ERPによって管理できるデータ
- 人事、給与
- 生産
- 販売
- 購買
- 在庫
- 会計 など
ERPを導入していない場合、上記のデータを管理する際は、それぞれ個別に用意されたデータベースにアクセスする必要がありました。ERPは、導入によってそれぞれのデータベースを一つに統合することで、一元管理を実現するシステムです。
ERPのメリットとデメリット
ERP導入のメリットは、データの一元管理による業務効率化が期待できる点です。各分野の情報を扱う際のデータのやりとりが不要となるほか、全体的な情報をタイムリーに把握できるようになります。例えば、生産・販売・購買・在庫などの関連性の高い情報どうしは、リアルタイムに状況が把握できることで生産性の向上も期待できるでしょう。
また、経営者や管理者にとっても、複数のデータベースを行き来することなく、全体の経営状況をリアルタイムで把握しやすくなる点も大きなメリットです。
デメリットとしては、導入にコストがかかる点が挙げられます。システム導入時の費用はもちろん、システム維持のためのランニングコストも想定しておかなければなりません。
また、費用面だけでなく、システム導入や社内で運用が軌道に乗るまでの時間的コストも必要です。システム導入に伴い、業務手順やフローが変わる従業員も出てくるでしょう。システムの導入を目的とするのではなく、業務効率化や生産性の向上につながるまで、計画性を持って導入に取り組む姿勢が求められます。
ERPと人事システムの違い
ERPと似たシステムの中に、従業員データを一元管理する「人事システム」があります。ここでは、ERPと人事システムの違いを確認していきましょう。
人事システムとは
「人事システム」は、人事部門に特化したシステムです。従業員データなど、人事に関わる情報を一元管理し、勤怠管理、給与計算、労務管理などの人事情報を管理するもの、人材育成・採用、戦略人事などの人材マネジメントなどに活用できるものなどがあります。
人事システムについては、「人事システムとは？ システムの種類や選び方も解説」の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
人事システムとERPの違い
人事システムとERPは、どちらも複数分野のデータの一元的な管理を実現する点では同じです。両者は、対象とする情報やデータに違いがあります。
ERPは、企業全体の経営情報やデータを対象としています。人事システムはその中でも、人事・給与に関わる情報に特化したものです。
人事業務でのERP活用方法
企業のあらゆる情報を管理するERPは、人事業務にも活用できます。ここでは、人事業務におけるERPの活用方法の例を紹介します。
給与・労務関連業務での活用
ERPを人事業務に活用すれば、従業員の給与にかかわる情報、勤怠や労務に関連する情報を一元的に管理できます。
給与に関連する情報とは具体的に、月次給与や賞与、税金などが挙げられます。一方、労務に関する情報は、労働時間や休暇などの勤怠状況、雇用保険などです。
これらの情報はそれぞれ関連性が高く、ERPによる一元管理で業務の効率化だけでなく、人為的なミスの防止も期待できることでしょう。
タレントマネジメントや採用業務での活用
ERPでは、従業員の属性や評価、スキル・経験、成果や適性なども一元的な管理が可能です。一人ひとりの従業員の状況が把握しやすくなるため、タレントマネジメントや人材配置にも役立てられるでしょう。
また、従業員のスキルや経験が把握しやすくなることで、社内に不足している人材や育成が必要な分野なども明確化できます。従業員の育成や、採用業務にも役立てられるでしょう。
人事システムのメリット
「まずは人事業務に関する課題を解決したい」「人事業務内の部分的な業務を効率化したい」という場合は、人事システムの導入もおすすめです。
たとえばJOEは、人事給与業務のアウトソーシングや人事管理システム、給与計算システム、勤怠管理システムなど、人事業務をサポートするさまざまなサービスを展開しています。人事業務全体の一元管理はもちろん、ピンポイントで部分的な業務にのみ適用することも可能です。
人事業務に特化したシステムだからこそ、自社の人事部が抱える細かい課題を解決できる場合もあります。人事に関して解決したい課題を抱えている場合は、人事専用のシステムの利用も検討してみましょう。
ERPは、企業経営にかかわるあらゆる情報を一元管理できるシステムで、人事業務においても活用できます。人事業務に特化したシステム導入を希望されている場合は、JOEのサービスをご検討ください。人事給与業務に関する幅広いサービスを展開するJOEは、多くの企業の人事給与業務の業務効率化をサポートしています。企業独自のルールや項目にも柔軟に対応し、それぞれの企業さまのニーズに最適なサービスをご提案します。サービスの詳細は、「人事管理システム・申請ワークフロー」のページをご覧ください。
