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勤怠管理の目的とは? なぜ必要で、何に影響するのかについて解説

勤怠管理は、規模や業界に関わらず、企業にとって必要な業務です。働き方改革に伴って、労働基準法などの法改正が頻繁に行われている今日において、企業は改めて勤怠管理の目的や意義を理解し、法改正に対応できる体制を整える必要があります。今回の記事では、勤怠管理の目的や重要性について、改正された法令の内容と合わせて解説します。

目次

勤怠管理の目的

勤怠管理の目的は、従業員の労働時間の管理です。勤怠管理により得られた情報は、給与計算への反映や、一人ひとりの労働状況の把握に活用されます。

特に労働状況の把握に関しては、従業員の出勤状況や休暇の取得状況、残業時間などを含めて、法令の範囲内で適切に労働しているかを管理する「就業管理」の面においても重要です。

企業は法令や就業規定に則り、従業員のワークライフバランスや心身の健康を守る義務があります。従業員の労働時間が規定を超えていないか、有給休暇を適切に取得しているかを確認し、労働衛生を健全に保たなければなりません。

そのため、日々の始業時間から終業時間、休憩時間、遅刻や早退、欠勤など、労働時間・労働状況まで正確に把握できる勤怠管理体制が求められます。

勤怠管理の必要性

日本企業は以前から、長時間労働に関する課題を抱えてきました。現在、政府はそうした課題を克服すべく「働き方改革」と呼ばれる法改正を進めています。企業側には、法令を遵守した労働環境の整備が求められています。

ここからは、それに伴う勤怠管理の必要性についてさらに詳しく解説していきます。

労働時間の上限規制

従業員の労働時間には、労働基準法によって上限規制が設けられています。

  • 労働時間の上限:1日8時間および1週40時間(労働基準法第32条)

この「1日8時間および1週40時間」の労働時間は「法定労働時間」と呼ばれるものです。法定労働時間を超過して働く「時間外労働」を行うためには、従業員と雇用主の間で「36(サブロク)協定」の締結が必要となります。また、時間外労働にも、上限規制が設けられています。

  • 時間外労働の上限:月45時間・年360時間(労働基準法第36条)

さらに、36協定の上限を超えて時間外労働を行うためには「特別条項付き36協定(労働基準法36条5項)」を締結する必要があります。

  • 時間外労働が年720時間以内
  • 時間外労働と休⽇労働の合計が⽉100時間未満
  • 時間外労働と休⽇労働の合計の「2か⽉平均」「3か⽉平均」「4か⽉平均」「5か⽉平均」「6か⽉平均」が全て1⽉当たり80時間以内
  • 時間外労働が⽉45時間を超えることができるのは、年6か⽉が限度

参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

企業側は、これらのルールや上限規制を理解した上での勤怠管理が必要です。正確な労働時間を把握しようとせず、上限を超えた労働を従業員に行わせた場合は法令違反となります。

有給休暇の取得義務化

有給休暇に関しても、労働基準法の改正により、2019年4月から取得が義務付けられています。

  • 対象:年休が10日以上付与される労働者
  • 使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければならない

参考:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説

以前までは取得日数に関して、企業側に管理する義務がありませんでした。現在は法令に則り、有給休暇の取得状況についても管理が求められます。

管理監督者の勤怠管理が義務化

2019年4月以降、労働安全衛生法の改正により、管理監視者の勤怠管理が義務化されています。

・労働安全衛生法第66条の8の3
事業者は第66条の8第1項又は前条第1項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。

・労働安全衛生規則第52条の7の3
第1項:法第66条の8の3の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とする。
第2項:事業者は前項に規定する方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならない。

これらの法令に基づき、企業側は客観的な記録で労働時間を把握する体制づくりが求められます。

勤怠管理の影響範囲とリスク

正確な勤怠管理を行うことができれば、従業員の労働状況が把握でき、労働環境も改善されます。逆に管理がずさんな場合、労働状況を把握できずに労働環境が劣悪になる恐れもあります。勤怠管理が企業に与える影響やリスクについて理解しておきましょう。

人材の定着率に影響

勤怠管理によって従業員の労働時間を把握する体制が整っていない場合、社内で時間外労働が慢性化するなど、労働環境が劣悪になることが懸念されます。長時間労働は、従業員の心身に大きな負担を与える重大な課題です。長時間労働が慢性化している場合、より快適な労働環境を求めて離職する従業員が増えることも懸念されます。

離職者の多い企業は人材の定着率が低くなり、業務がまわらないことから従業員の労働時間がさらに長くなる悪循環を引き起こします。そうした悪循環を断ち切るための第一歩として、企業側の適切な勤怠管理は重要です。

正しい給与の支払い

企業側は、労働基準法第24条「賃金全額払いの原則」に基づき、労働者が働いた分の賃金は、たとえ1分単位であっても全額支払うことが義務付けられています。そのため、時間外労働についてもその時間をしっかりと把握し、勤務時間分の給与を支払わなければなりません。

勤怠管理がずさんな場合、従業員の労働時間を把握しきれず、正しい給与の支払いも行われていない可能性があります。労働者には、支払われていない労働時間分の給与を請求する権利があることから、正しい給与を支払っていない企業は違法と判断される場合があります。

従業員が労働した時間分の給与を正しく支払うためにも、勤怠管理体制の導入は企業側に必要不可欠です。

企業側は、従業員の労働状況を正しく把握し、労働衛生を健全に保つ義務があります。国全体でもその重要性が叫ばれている状況であり、改正された法令に則った正しい勤怠管理体制づくりは急務です。労働環境を整えるためにも、法令の理解と勤怠管理業務の整備を進めていきましょう。

人事業務に関するさまざまなサービスを展開しているJOEでは、法改正にも対応しながら、従業員一人一人の労働時間を適切に管理できる勤怠管理システムを提供しています。出退勤打刻や申請も簡単に行えるほか、従業員の勤務状況をタイムリーかつ正確に把握できます。企業ごとに異なる就業規則、ルールに対応したシステム構築も可能です。詳しくは「勤怠管理システム」のページをご確認ください。

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